UNDER MY SKIN / AVRIL LAVIGNE
　カナダはモントリオール生まれの女性シンガー・ソングライターAvril Lavigneに刺客なし!全世界で2，000万枚(日本だけでも200万枚)という驚異的ビッグ・セールスを記録したデビュー・アルバム『LET GO』の興奮が冷め切らないうちに届けられた超待望のセカンド・アルバム『UNDER MY SKIN』('04年発表)は、心の奥深くまで眩しいほどの光をもたらしてくれる慰めの歌ばかりが収められた力作である。これまでで最も豪華なラインナップだとつくづく感じるSummer Sonic2004への参戦も決定し、これは黙って見過ごすのは非常にもったいないと寂しい財布の中身と相談しつつ夏フェス参加を真剣に考えている今日この頃。今はパンク・ロックに夢中だという彼女はフェイス・ヒルやディクシー・チックスなど折り紙つきの歌唱力を誇る実力派からも影響を受けているそうで、アルバム・ラスト(国内盤)を華々しく飾る"Nobody's Home (Live Acoustic)"において聴かれる確かなヴォーカル・スキルは大物シンガーの声に日常から接していたことによって育まれた部分もあると思うのだが。初回盤にはジャケットそのままのステッカーおよびミニ・ポスターが付いてくるという嬉しいサービスも…特典を気にして、発売日前に『UNDER MY SKIN』を買ってしまった自分(汗)ドン・ギルモア(LINKIN PARKなど)がプロデュースしたことが功を奏したか、とてもビッグなサウンドになっている"Take Me Away"(1曲目)の始まりのほうで聴かれるちょっぴり寂しい響きのヴォーカルが印象的。Avrilの声が心の叫びとも受けとれてウルウルときてしまった"Together"(2曲目)は途中で聴いているのが辛くなって飛ばしてしまいたくもなったが、不思議なことに最も我へと返れるメロディだからこみ上げてくる涙を必死に抑えつつ耳を傾けてしまった。HMVなど大手レコード店でも既にヘヴィ・ローテーション中のファースト・シングル"Don't Tell Me"(3曲目)はAvrilをサポートするバンドのギター奏者Evanが共作という形で腕を振るった曲であり、穏やかな始まりとはうって変わってラウドに炸裂するサビ部分がめちゃくちゃホット!これでもかなりのパンク好きである自分のツボを刺激して止まない"He Wasn't"(4曲目)はカッコ良すぎて、自宅2階の窓からダイヴしそう…(笑)幾度もリピートさせられてしまう中毒性と即効性に白旗を揚げざるをえない!インタヴューで｢他人は他人、あたしはあたしだから…他のアーティストと比較されるのは嫌い!｣と語っていたことは結構話題になっていたけれど、その発言こそAvrilは｢自由のシンボル｣だと認識するキッカケを作った。"How Does It Feel"(5曲目)、"My Happy Ending"(6曲目)がスピーカーから流れている時、｢ありがとう!｣の気持ちで一杯だった。何故ならば、世の中には癒しというキャッチ・フレーズが付けられた音楽がこうも沢山出回っているのに、その効果を身をもって体験したことは殆どなかったから…やはり、絶えず傍にいてくれるのは自分の抱いている感情を共有しようとしてくれる身近な音楽なのだ。流行っているか否かはもはや問題にするまでもなく、自分が自分らしくあるための音を探していく。『UNDER MY SKIN』はそれを可能にしてくれた一枚。ヘア・スタイル同様に真っ直ぐな性格の彼女が今日ほど愛しく感じられたことはない…EVAを電撃脱退したベン・ムーディがソング・ライティングに参加した"Nobody's Home"(7曲目)の携えた叙情性もまた、見事!意外だったのは"Forgotten"(8曲目)というややヘヴィな曲が入っていたことかな。他のリスナーはどう捉えたのだろうか?とっても可愛らしくてワクワク・ドキドキしてしまった甘酸っぱい青春ソング!?"Freak Out"(11曲目)に、第1ラウンド数秒でKOという…(笑)どれだけ人気がでても自分なりの表現方法で歩んでいくであろうAvrilを心から尊敬しているので、今後も命ある限りサポートしていきたい!'04年No.1アルバム!　（Little Rock）