ＹＵＴＡＫＡ　

　ジョージ紫プロジェクト唯一のアルバムでギターを弾いていた厚志ゆたかは、それ以前にはCONDITION GREENそして紫にも参加していたらしい。といっても、共に全盛期のバンドにではなく、何度もされている再結成のうちのいずれかに参加しただけなのでしょう。で、厚志ゆたかは東京に単身出てきて、ライブ活動を行っていたらしい。きっと'90年代に入ってのことだろう。そして、'94年にYUTAKAの名前でソロ・アルバムをメジャー・レーベルより『GROOVIN'』をリリースしている。YUTAKAがギターとヴォーカルを担当。バックは上間勝吉（B）そしてPINK CLOUDのジョニー吉良（Ds）が担当している。

　３ピース・ユニットの構成だけに、凄くシンプル。Voは素晴らしく上手くはないが、そつなくこなしているという感じ。１曲を除いて英詩というのは沖縄出身のミュージシャンらしくて好感もてる。一緒に活動をしていたジョージ紫の影響などは、ほとんど見られない。ストレートなロックあり、爽やかなバラードあり、ファンキーなナンバーあり、泣き泣きのブルースあり、何でも器用にこなすタイプのギタリスト。作曲能力はありそう。いろんな種類のアメリカン・ロックをやっていたCONDITION GREENの音楽性に近い気もする。その反面、個性はあまりないかも。逆に言えば、こういったギタリストは貴重なのか。現在も活動を続けているのだろうか？　（純生）