Melodic Metal Convention 超強力編 Vol.4〜X.Y.Z.→A, 陰陽座, BLINDMAN, CONCERTO MOON, 　GALNERYUS, FAIRY MIRROR　'01.12.15　難波・マザーホール
　毎年年末に行われているこのイベントですが、今までは特に興味もなかったものの、今年は陰陽座を絶対にもう一度見たいと思ったことと、まだ見ていないVOLCANOが出るということで行ってみました。
　オープニングはFAIRY MIRROR。すでに始まっていて、２曲だけ見られました。以前酷評したヴォーカルが脱退して、別のおねいさんが加入しています。今度の人は、しゃきしゃきと喋ってパワーで歌い倒すタイプで、誰かに似ているなあと思ってよく考えてみたら、MOONSTRUCKの人でした。曲はメロディアスでスピーディーで良い感じなのですが、それ以上のものは特になし。あと、音が変に重なってて聞き取り辛かったです。
　GALNERYUSは、いくつかのバンドの人（VALKYR、GUNBRIDGE、元CEMETERY）が集まったプロジェクトのようです。音楽的にはよくあるメロディアス様式系。３曲で終わったせいか、ほとんど印象がありませんでした。個々の人にも存在感がなかったですね。
　ここまで２バンドが前座扱いで、ここから５バンドがメインアクトということでした。で、ラインナップの知名度とキャリアからいって、次あたり陰陽座だろうと思って前に行きかけたら、いきなりCONCERTO MOONが出てきてびっくり。私は、トリがX.Y.Z.→Aで準トリがCONCERTO MOONだと勝手に予想していたのですが･･･。一応、気にはなっていて、アルバムも中古では探している（笑）名前でしたので、それなりに興味をもって見たのですが、やはりＧは上手いですね。弾く速さもですけど、ソロのときもリフのときも、音色が安定していて綺麗なので、聴いていて心地いいです。ただし、ヴォーカルの発声は高音が割れまくっていて、Ｇの頑張りを大いに減殺していました。こういうヒラヒラ系の音楽（？）は、ああいう野太い声質のヴォーカルではなく、できれば中性軟弱系の人に歌ってほしいと思うのですが。ちなみに、楽曲的には、ここまでの３バンドはほとんど区別がつきませんでした（笑）。
　さて、今度こそ陰陽座か、そうでなくてもVOLCANOだろうと思って前に行きかけたら、今度はBLINDMANでした。こうして前に行ったり慌てて後ろに戻ったりするという状態は、まるでROXYのようです（爆笑）。音楽性は私の好みとは少し距離がありますが、ラジオで何曲か聴いていたので、意外と退屈しませんでした。ＭＣは相変わらず高飛車でしたけど（前よりは大分ましにはなってましたが）、存在感がないよりはいいことかも。違うか。
　そして今度こそ陰陽座です。いきなり"式を駆る者"、"百の鬼が夜を行く"、"火車の轍"と速い曲が続いて、頭を振りっぱなしでステージを見る暇もありませんでした。あとは"かまいたち"と"月に叢雲花に風"（新曲）だったかな。途中でふっとステージを見たときに、メンバーの背後からぼんやりと逆光の照明が当たっていて、薄暗い中に４人（＋ドラマー）が浮かび上がるように見えた一瞬があって、まさしく霊界の女王（黒猫）とその腹心の部下（瞬火）とその手下（狩姦と招鬼）という感じで、何と格好良かったこと！くらくらしそうになりました。私は今までツイン・ギターの２人の個性が薄いのが不満だったのですが、この２人は無表情背後霊路線で押すのもいいかも。今回は、なぜか黒猫ちゃんは全く喋らず、ＭＣは全部瞬火でした。アニメＭＣはもう止めてしまうのでしょうか？ 瞬火といえば、ユーロ・ロック・プレスのインタビューでは「プログレがやりたいとかいうことよりも、プログレスしていきたいという気持ちの方が強い」と嬉しいことを言ってくれていました。これこそ真のプログレ・スピリットです。さて、ラストはやはり"亥の子唄"でした。ふふふ、今日はきちんと扇子持参なのだよ。というわけで、最後の掛け合いのところではしっかりと振ってきました。ここでは後ろの音がＢとDsだけになって、黒猫ちゃんが喋りで煽るのですが、このときにドラムキットに仁王立ちになってＢを弾く瞬火がまた格好良いのだ！ あと忘れてはならないのは、曲に入る前に「今日はメタルのフェスティバルでおめでたい日だから、みんなで祝いの歌を歌うのだ」と解説していることで、こういうように、楽曲の意味、その曲が何を表現しているのかということをきちんと意識しているのが嬉しいではないか。やはり、彼らはただ「良い曲を書くだけ」のバンドとは違います。
　これであとラストはX.Y.Z.→Aだから、次はVOLCANOだな、と思っていたら、何と次がX.Y.Z.→Aでした。トリじゃなかったんだ。私はメンバー構成もこの日パンフレットを見て初めて知ったような不届き者だったのですが、キャリアがあるだけあってステージ上でもそれぞれに風格があります。演奏面では、Ｇはピッキングが雑なような気がしましたが、Ｂのプレイが落ち着きなく忙しい（←ほめてます）のは、さすが元爆風スランプ、と思ってしまいました（笑）。で、実はこの日は難波発２０時１０分の特急で鳥羽まで行かなくてはならなくて、X.Y.Z.→Aも２曲しか見られませんでした。まさかのトリのVOLCANOは、結局見られませんでした（大涙）。それにしても、この順番は一体何だったんだろうか。やはり、ビクターとキングとバップの力関係の差なのだろうか？
　あと重要な点として、この日は和田誠さんがＤＪとして進行を担当していました。最近はラジオもあまり聴けなくなっていたので（せっかく３時間枠に増えたのに！）、久しぶりに喋りがたくさん聴けて満足です。ただし、プレゼントなどの企画を少々盛り込みすぎで、バンドとバンドの間も２０〜３０分くらいあって、最初から真面目に見ていた人は疲れたでしょうね。企画がある方が宣伝もしやすいんでしょうけど、本来は、登場バンドで人を呼ぶように勝負すべきでしょう。今の国内の諸バンドにはそれだけの価値はあると思います。　　（Olias）