もうこうなったら、全作品レビューしちゃえ！ということでブリトニー・スピアーズです。この人の場合、アルバムを聴けばライヴを見なくても良い(皮肉…です)という気もするし、オリジナル・アルバムはどれも秀作だから、まとめて書いてみようと思います。この『...BABY
ONE MORE TIME』は'98年にリリースされたファーストアルバム。ブリ17歳の時の記念すべきデビュー作品です。日本盤、アメリカ盤、ヨーロッパ盤でそれぞれジャケットが異なるのですが、私が買ったのは本人が口を手で押さえているヨーロッパ盤。ぱっと見はゴマキに似てなくもない気がする…(汗)
ちなみに、ジャケ的には日本盤が一番かわいく映っているかもしれません。でもそれは個人的な好みにもよるな。(笑)
デビュー・シングルの(1)"...Baby One
More Time"からしてメガ・ヒット。全体的には、サウンドというかプロデュース面で多少とっ散らかったイメージがあるとは言え、基本路線(絡みつくようなメロディを、大人っぽいとも子供っぽいとも言えない独自のロリ声で歌う)はすでに確立されています。楽曲的にベストなのは、ツアーでも2曲目に取り上げられている(2)"(You
Drive Me) Crazy"でしょう。1コーラスでインパクトを受け、2コーラスで記憶し、3コーラス目で一緒に歌い、4コーラス目でアルバム購入(笑)…という、実に強力な楽曲です。マーケティングのAIDMA理論(Attention→Interest→Desire→Memory→Action)を地で行ったスーパー・ヒットソング？(笑)
"...Baby One More Time"のシングル・ジャケットなどを見る限り、前髪の揃ったフツーの女の子風で、正統派アイドルとしての売り出しというか、最初期は今のスタイルは確立されていなかったことが確認できます。 (hatch)
OOPS! I DID IT AGAIN / BRITNEY SPEARS
そして真の意味で大ブレイクし、ブリが世界的なスーパースターになったのがこのセカンドアルバム。'00年リリースです。真珠やら何やら宝石に囲まれて、金ピカのバックに本人が立っているというジャケットです。聞いたところによれば、本作のタイトル曲(1)は、アメリカでのラジオ・オンエア回数が史上最高ということらしい。今年のツアーでも1曲目に据えられている、この"Oops!
I Did It Again"は、まさにブリの代表曲と言える楽曲でしょう。ハードなギター・リフでオッと思わせた直後に出てくる、"Wo,Yea,Yea,Yea,Yea,Yea,"というブリの歌声にノックアウトされたティーンエイジャーは数知れず？(笑)
どことなくけだるい雰囲気でありながらキャッチー、色気があるのにどこか爽やか、というブリのキャラクターそのものの楽曲と言えます。前作からもリミックスがいろいろ出ていますが、この(1)のリミックスは6種類くらいあって、どれも興味深い仕上がりになっています。楽曲的にも音質的にもファーストアルバムからの前進は明らかで、個人的には(5)"Don't
Let Me Be The Last To Know"、(6)"What
U See (Is What U Get)"、(10)"Can't
Make You Love Me"、(12)"Girl In
The Mirror"といったあたりが気に入っています。このセカンドアルバムのリリースによって、ブリは明らかに'00年代最初の顔になったと言えるでしょう。 (hatch)BRITNEY / BRITNEY SPEARS
そして'01年リリースの最新アルバムがコレ。実は正直なところ、私がアルバムをちゃんと買って聴いたのはこのアルバムが最初でした。でも逆に言えば、この作品が最初の衝撃であったからこそ、ここまで入れ込んだと言えるかもしれません。とにかく(2)"Overprotected"のインパクトは強烈でした。パンチの強いビート、思わず「あばずれてるなぁブリ」と言いたくなってしまうようなヴォーカル、矢継ぎ早に繰り出される歯切れのいい言葉、流れるようなメロディ、思わず「格好良い」と呟いてしまうような洗練されたアレンジ…とすべてが新鮮でした。最初のインパクト的はこれでしたが、他にもキャッチーでありながら決して安っぽくない、珠玉のポップスの連続。セカンドを試聴した際にはあまりよく見えてこなかった、ブリの魅力がこのアルバムではより明確に提示されていました。3枚切られているシングルの中では、今のところ一番ヒットしている(4)"I'm
Not A Girl,Not Yet A Woman"(アメリカ人に受けそうな大味なバラード)、Joan Jett & BLACKHEARTSのカヴァー(7)"I Love Rock n' Roll"(ジョーン・ジェットのダミ声と比較したら、ブリの声はあまりに弱すぎる)の2曲は並ですが、"Overprotected"以上のインパクトを受けたのが(8)"Cinderella"でした。この曲は私の好みをすべて満たしてくれる完璧な楽曲です。ヴァース、ブリッジ、サビの歌メロすべてが素晴らしい。特に楽曲後半、サビメロがリフレインするところなどは、何回聴いても感動してしまうでしょう。イメージ的には地味だし、どちらかというと泣きメロの楽曲だからシングルには切られないかもしれないけど、この曲のためにアルバム聴いて良かった！というのが素直な感想です。イベントでも早速使わせてもらいました。(笑)
ちなみにファーストシングルの(1)"I'm
A Slave 4 U"は、確かに今のブリを象徴する1曲とは言え、本人のキャラクターからすれば不似合であると思っています。 (hatch)