メタル・ディスコROXYでは、普通のHMファンが名前も知らないようなマニアックなアルバムがびしばしセレクトされるのだが、これもそんなものの一つ。３年程前にROXYに通いはじめた頃、B級ターミネーターを思わせるインパクトの強いジャケットがどーんと出てきて、「うっひゃーこんなのもかかるのか」と衝撃を受けたのがROGUE MALEとの出会いである。本作は'85年発表の1st。一言でいうと「近未来型MOTORHEAD」とでもいうところだろうか。私はMOTORHEAD自体は粗野なイメージが強くて、家でわざわざアルバムを聴くほど好きではないのだが、このROGUE MALEのSF的イメージは大好きだ。B!では「サイボーグ・メタル」なんて形容がなされていたけれど、まさにサイボーグがハードコア・メタルをやっているような印象すらある。ソリッドな音作りは金属的質感充分で、自分がサイボーグになっているような気すらしてくる…ってちょっと大げさか。彼らはもともとハードコアというより、本質的に近未来メタルがやりたかったのかもしれないが、その方向性は2nd『ANIMAL MAN』にて一層推進されている。何せ１曲目のタイトルが"Progress"だから何をか言わんやである。ただし2ndは妙にひねた作りになっていて、1stのキャッチーさが減退してしまっているのが残念。1st, 2ndともエレクトラという大手から配給されていながらアルバム２枚でレーベル・ドロップ。今やCD化のみが待たれるという作品だ。（hatch）
VINTAGE WHINE / SKYCLAD
'99年リリースのアルバム。デジパック買えなかったです（涙）。１曲多くて、しかもCD-ROM付きなのになあ…。ギタリストとドラムが加入。ヘヴィなSKYCLADに戻りましたね！っと言っても、初期のようにではなくて、トラッド・ソフト路線にギターリフを加えてメタル・アレンジにしたような。ギターが２本あるので、重厚になっています。Voも語るところもあるけど、力強く歌う部分もあります。フィドル・プレイがはじけている"The Silver Cloud's Dark Lining"、ケルトのメロディがとても優しい"No Strings Attached"…などなど、最近のトラッドほのぼの路線にご不満の貴兄にも満足いただける内容だと思います。ブックレット裏の蛇女（？）のイラストは、たがみさんの描く妖怪ものみたいだ； なお、リマスターでATROCITYのAlexander Krullがクレジットされています。 （純生）
CODE RED / SODOM
ドイツ出身の３人組老舗スラッシュ・メタル・バンドの'99年リリースのアルバム。私は近年のSODOMは聴いていなかったのですが（といっても、初期も知らない…つまみ聴き程度ってことです）、これって、めちゃくちゃかっこいいです。イントロから続く、タイトル・トラックの"Code Red"の速さ、激しさ、かちっとしたところに心躍ります！ こんなにもスラッシュ・メタルでわくわくさせられたのも私は久しぶりです。そして間を空けずに同じように速い"What Hell Can Create"がたたみかけてきます。こんな調子で、スピード・ダウンした重厚な曲も交えながら、最後まで突っ走ってくれます。気分爽快。ほんと、近年のSODOMも聴いてみようと思っています。中古で既に買ってありますので；
また輸入盤の限定盤は２枚組になっていて、２枚目は『HOMAGE TO THE GODS』と題された15バンド参加のSODOMトリビュートです。これって、単独でも商売できるでしょうにね。嬉しいおまけです。しかし、私はオリジナルを知らなさすぎです； 記憶にしっかりとあるのはREVENANTの"Agent Orange"だけですので； この曲はオリジナルからして文句なしにかっこいいです。あとは、参加バンドもCRADLE OF FILTH, IMPALED NAZARENE, BRUTAL TRUTHぐらいしか馴染みないので、参加バンド側からの楽しみというのも私には出来ません； CRADLEは個性わかって、楽しめますけど。ばたばたして、んぎゃーって叫んでいます。他にはKRISIUN, DARK FUNERAL, RUCIFERION, ATANATOS, DECAYED REMAINS, ENTHRONED, DESASTER, GODDES OF DESIRE, ORDER FROM CHAOS, RANDALICAが参加しています。 （純生）
