そろそろ紹介しなければなるまい。'97年中にリリースされていたノルウェー出身の女性Voと女性Keyを擁する５人組メロブラの2nd。私はメロブラの中では一番好きだと言えます。CRADLEのような走りまくるシンフォニックなメロブラとは違います。やはりブラックは表舞台に出てはいけません（意味もなくいきなり保守的）。適当に激しい部分もあり、男性Voは凶悪に叫んでいて、Keyによる適度なシンフォニックさがあり、北欧らしいトラッド的なメロディもあり、おねいさんVoが可憐に歌ってくれる、そんな全てを満たしたようなバンドがDISMAL EUPHONYです。きらきらと輝くメロディを持ち、今にも泣き出しそうな声で女性Voが歌ってくれる"Carven"は名曲。力強い楽曲に、ふわふわした女性Voがのっかってくる"In Remembrance Of A Shroud"もしかり。といっても、このバンドの衝撃はフル・アルバムのリリース前の３曲入りミニが凄かったので、このアルバムでさえも私も欲求は充分には満たしてもらえていない。（純生）
SONGS OF MOORS & MISTY FIELDS / EMPYRIUM
ジャケットがそれっぽくて安かったので拾ってきたドイツ出身の３人組ゴシック・メタル・バンドのアルバム。１人がVoもDsもGもBも兼任して、残り２人はシンセとフルート兼チェロ。Voは凶悪に叫んだり、ゴシック・ヴォイスでダンディーに歌ったり。６曲で45分と長い目の曲が多く、じっくりと同じメロディを繰り返すことで、印象づけようとする作戦か？ で、敵の思惑通りとてもはまります。"Nourners"はリコーダーが演奏されているのが嬉しい。ひたすら長いアコースティックなイントロから徐々に盛り上がり、最後もまた哀愁味のあるメロディを繰り返しながら終わる"The Ensamble Of Silence"も10分弱の大作にして名曲の噂がある。地味なアルバム、地味な音なのだが、実に心に残るメロディがある。拾いものにしては大当たり。私もそんな人間になりたい。（純生）
DANCING UNDER GLASS / ENTWINED
イギリス出身のKey入りゴシック・メタル・バンドの'98年リリースの1st。確かNo Female Vo…なんて売り文句が付いていたけど、確かにギミックに頼らずとも、充分に魅了できる男らしい力強いゴシックをやっている。走る速い曲もかっこいいし、静かでいてメロウな曲も合格。ただVoの声がしょぼいのがマイナスかなあ。（純生）
BATTLE FURIES / EWIGKEIT
イギリスの一人ブラック・メタル、'97年リリースのアルバム。BATHORYにしてもBURZUMにしても１人でやっているせいかで、音の雰囲気も暗く閉じこもっているような気がする。楽曲が似たり寄ったりになっているような気がする。って、ブラック自体がそういう音楽性なのだけど。ちょっと強引に決めつけすぎかもしれないけど。こちらはいきなり冒頭でピアノによる華麗で開放的で前向きなメロディが出てくるし、けっこうかっこいい。一人でやっているのだから仕方ないや、というような部分は全然ない。様々なタイプの楽曲があり、輝くメロディを持っている。女性Voとかも入ってくるとますます華麗だ。でも、リズムとかはチープです。やっぱり一人だから仕方ないよね。（純生）
THE CRYSTAL PALACE / FORLORN
以前ミニ・アルバム『A BATLLE SO BRIGHT 』をベタ誉めして紹介したノルウェー出身のヴァイキング・メタルFORLORNのフルレンス・アルバムが'97年（あるいは'98年？）にリリースされていた。G氏が中心の３人組のプロジェクトのようで、VoはGEHENNAのメンバーの人です。私はミニのトラッド・メロディ満載のサウンドにかなり魅了されていたので、フルレンスということでかなり期待をしていたのだが、なんとミニに収録されていた曲が含まれているのは残念だ。しかもヴァイキング・メタル全開の一緒に歌えるような曲がミニにも収録されていたものだけというのが淋しいではないか。でも新しい面も出てきている。Keyを使ったシンフォニックな面である。いきなりデス声の咆吼で始まるオープニング"Lik Av Falne Menn"はほのかなシンフォニックな前半で、曲の速度が上がり輝くようなメロディが出てくるという展開が非常にいいです。そしてラストの"Lunar Eclipse"は大仰でシンフォニックなインスト。だんだんと気持ちが高まっていくかのように盛り上げてくれる。（純生）
