工藤さんは、未森さんをはじめとして他の多くのアーティストに歌詞を提供している方で、やっぱり工藤さんといえば、未森さんが一番つながり深いのかもしれません。このアルバムは、その彼女の初のソロアルバムで、おそらく通販でしか受けて付けていないと思います。歌詞を手がけているのはもちろんですが、なんとこのアルバムでは、Voも工藤さん自身がとっています。聴いてみると、声の方も優しくてやわらかなお声をされていて結構びっくり。あとは、参加アーティストとして未森さん、中原さん、吉良さん（Zabadak)をはじめとして多くの方が参加していて、結構豪華かも。私たちはやっぱり、彼女の本当の凄さをあの歌詞で感じてきたわけで、どうしてもあの工藤さん･･･という先入観が入ってしまいます。"Forest
Notes"の詩的世界、"地図をください"の童話的なロマン、"僕の森"の芸術的な美しさ、"時の駅"の文学的な芸術性、"暮れてゆく空は""空色の帽子"のまぶしいほどの輝き、"山行きバス"、"森とさかな"、"一粒の予感"のいっぱいのアイディアと遊び心も、"桃"、"雨あがりの観覧車"とか優しい気持ちにしてくれるし、"Diary"、"野の花"の言葉で人の心を揺り動かすことのできる見えない力が、工藤さんの言葉には宿っている気がして･･･。このアルバムも、歌詞を読むにつれて、あぁ、この部分が工藤さんらしいなぁとかちょっとした部分でドキドキさせてくれます。でも、結局は、この人はほんと凄いよなぁって感心するばかりで、あんまし感想になっていないかもしれません。 （くれ）
STILL LIFE / 遊佐未森
01'年リリース、EPIC 時代のアルバムからセレクトされたコンピレーション・アルバム。最近みもりん情報に疎いのでよく知りませんが、ファンなのでさっさと素直に買いました（笑）。初回はデジパックです。１曲目には"空耳の丘(full
scale version)"が入ってます。他にも、"東京の空の下",
"潮見表", "つゆくさ(小夜曲)"などなど、こうやって聴き返してみて素直に名曲と思うし、感動するのはもちろん、なんか素直な気持ちにさせてくれるんですよね、未森さんの声って。"川"の水のように澄んだ歌声、"Diary"の人の本能に直接訴えかけてくる希望のメロディ、"野の花"の大地に優しく大きく広がって行くピアノ･･･そうでした、外間さんはよくいろんなところで、「メロディは遺伝子を伝って旅をする生命体」と言われてました。そのメロディを聴いてるとほんとに自分の体の本能的な部分でそれを感じさせてくれる気がします。メロディが体の中にすーっと広がっていって、心の中の遺伝子にまでゆき届いていく･･･生まれるずっと前から知っているメロディ。そいういえば、"Forest
Notes"にも「この指先にひそむ遺伝子のメモリィ」って出てくる。それは他にも"窓を開けた時"、"風の吹く丘"、"僕の森"、"時の駅"、"風が走る道"、"虫の話"、"水辺にて"、"roka"、"タペストリー"、"Little
Garden"だったりするわけですけど（個人的にですけどね）、この人はどうしてこんな風に言えるんだろうだろう、はぁ、とその実態のない真実に感心しながら、気が付くと手探りで、そのメロディが記憶の糸を伝って心の中で動いてくのをつかみたくなる気持ちにさせてくれる、そんな不思議な感覚…。あと個人的には『momoism』アルバムが、『空耳の丘』、『ハルモニオデオン』、『HOPE』と同じくらい好きなので、"桃"が入ってたのが嬉しかったです。11月には３枚目となるベストがリリース予定だそうです。 （くれ）檸檬（レモン） / 遊佐未森
これは、最近リリースされたばかりの企画アルバム。未森さんが昔（大正・昭和時代）から聴いてきた＆影響を受けた日本の歌謡曲のカヴァーアルバム（っていう言い方でいいのでしょうか）です。知っている曲は１曲もありませんでしたが、なんていうんだろう･･･なんとなく小学校生の頃の音楽の教科書に載っていそうな（いたような）むか〜しの曲ですね。伝統的な日本歌謡というか、純和風な未森さんが満載。こういう曲って、未森さんが歌うのよく似合います。みもりんナンバーでいうと、"東京の空の下"、"川"、1stの曲、"空に咲く花"、"君の声がする"、なんかに、そういう未森さんのフィーリングが少なからず映されてるように感じますけど、それは、未森さん・外間さん・工藤さんの芸術的/文学的な歌詞、時代性、題材、アイディア・プロデュースセンス、なんかによるところも大きかったのかもしれませんね。でもここではそのどれとも違う感じ、って、カヴァーだからあたり前か。"あいたくてあいたくて"、"ペチカ"なんかは今から考えるとなるほど〜という感じではないでしょうか。そして、浴衣姿のみもりん！これはもうすごく似合っています。"空に咲く花"でも浴衣みもりんが炸裂！していましたが（笑）、今回の未森さんもいいですよ。
(くれ)